本日、喪中です。(気持ち的に)
やはり新次郎さんがお亡くなりになりました。
一度は少し元気になってくれるかと希望を持っていましたが、昨日倒れたまま、物語の時間的には数時間でお亡くなりになりました。
酷い、NHK。ドSすぎる・・・。
◆新次郎さん逝く
新次郎が倒れて「だんな様、後生だすさかい、目覚ましておくんなはれ!」そう必死で声を絞りだすあさは、大塚医師の診察の邪魔にならないよう、うめに外へ連れだされました。
新次郎が医師に見てもらっている間、呆然としているあさに、千代が声を掛けます。
そんな千代にあさは自分の心の中を話します。
あさ:「お父ちゃんがなぁ、昔々うちに言うてくれましたんや。『選んだ道を真っ直ぐ進み』って・・・」
千代:「へえ。お母ちゃんが押し入れに入ってて、許嫁やったお父ちゃんが、そこにパチパチはん持って来てくれた、て」
あさ:「うれしかったなあ・・・。うち、嬉しすぎて、ずーっと進みすぎてしもた。もっとゆっくり、手ぇつないで歩いたらよかった・・・。」
あさは涙が止まりません。
そして大塚医師が戻ってきてこう言います。
「もう・・・朝までもたないかも分かりません」
「そんな・・・」みんな、声を失います。
大塚医師:「どうか、声かけてあげてください」
最後の声掛けなんて・・・もう、ほんとうに新次郎さん最期なんだ・・・。
こちらも胸が痛くなります・・・。
横たわる新次郎の周りに集まる家族。
それに気付き、力なく新次郎は言います。
「なんや、みんな、おそろいで」
それに対して、榮三郎は努めて明るい口調で言います。
「そやで、お兄ちゃん。こないみんな集まってますねよって、お兄ちゃんが盛り上げてくれな叶わしまへんわ」
「ははは・・・。そら、よろしなぁ。・・・あさ」
そう言って新次郎は、あさの助けを借りて起き上がろうとします。
しかし起き上がれる体力などあろうはずもなく、あさに抱き支えられる形で、少し上半身を起こすのがやっとでした。
あさに身を預ける形で、「はぁ・・・」と息をつき、力を抜く新次郎が痛々しいです。
そして新次郎は遺言のように話します。
「榮三郎、ずーっと頼んないお兄ちゃんやったな。堪忍やで」
榮三郎も、ぐっと堪えながら言います。
「もう、何も心配せんといて。加野屋も千代一家も、今度はわてが守ります」
それに対し、頷く新次郎。千代のすすり泣きが響きます。
新次郎が千代を呼びます。
新次郎:「ええお母ちゃんになったなあ・・・。千代のおかげでなあ、わての人生どんだけ華やいだことか」
そして、
「啓介さん、よろしゅう頼みますわ」
新次郎はそう声を絞り出し、自分では体を支えられないほど弱っているというのに、啓介に頭を下げようとします。
もう自分は、愛しい娘を守ることができないことを思い、新次郎は心から啓介に頼んでいるのです。
啓介が「千代も、多津子もお腹の子も、必ず守ってみせます」そう応えると、一つ大事なことが片付いたかのように、新次郎は「はぁーっ」と息をつきます。
そして、「亀助、もうな・・・、あさと2人にしてんか」そう頼みます。
「今まで長いこと・・・おおきに」
そして、「はぁ・・・」と息をつくと、みんなに伝えたい最後の言葉を振り絞ります。
「みんな、おおきに」
新次郎最期の心の内には、皆への感謝の言葉しかありませんでした。
みんなが部屋を退出し、新次郎はあさと二人になりました。
二人になると新次郎は言いました。
新次郎:「ほっとしましたわ。思てたこと、全部言えましたさかいな・・・」
あさ:「ほんまだす。あない無理して・・・。もう、よろしいのやで。誰にも気ぃ遣わんかてよろしいのや。もう、うちしかいてしまへんのやさかい。ただ、こない、さしとくなはれ・・・」
そう言ってあさは、新次郎の手を両手で、ぎゅっと握りました。
握り返そうと、もう片方の手を伸ばす新次郎。その手も、あさは包み込むように握りしめました。
新次郎は「はぁ」と絞り出すように声を出しました。
新次郎:「あさの手ぇは柔らかいなぁ・・・」
そして最後の言葉を伝えます。
「忘れんといてなぁ。いつも、そばにいてるさかい、なぁ・・・。そばに・・・いてるさかい・・・」
あさは、それに頷くのがやっとです。あさの頬に涙が伝います。
新次郎:「あさぁ・・・」
あさ:「・・・へえ」
新次郎:「あ~・・・さ・・・」
新次郎の閉じられた瞳から一滴の涙がこぼれ落ちました。
あさ:「・・・だんな様? ・・・だんな様!?」
もう涙を流すこともない、動かない新次郎の体。
あさの涙は止まらず、嗚咽が響きました・・・。
新次郎の嬉しい時の優しい雨
加野屋の新次郎の葬儀は、新次郎自身も顔が広かったこともあり、弔問客の多い盛大なものとなりました。
女手が足りず、あさもテキパキと動きます。
あさの気持ちを想いつつ、はつも手伝いを申し出ました。
お腹の大きい千代も手伝っています。
しかし、
「せやけど、あれ、昔馴染みの方やろか? お父ちゃんのこと、『道楽もん』とか『フラフラしてお気楽な人生やったな』なんて言いはって」
と、千代は納得できないように呟きます。
すると、ふふふ、と榮三郎が笑い始めました。
他のみんなも、ははは、と笑い始め、千代は不思議そうな顔をしました。
千代:「なんだす? みんなで笑うて?」
榮三郎:「いやいや、ひょっとしたらお兄ちゃんは、そない言われてた方が嬉しいのかも分からしまへんで」
亀助が、新次郎の巾着をくるくる回す姿を真似しながら続けます。
亀助:「『それでこそ、わてだすがな、』とかなんて言うてなぁ」
雁助:「せや。そういうお方だすわ」
千代:「・・・お父ちゃんいうたら・・・」
その会話を聞いていたあさは、遂に堪え切れなくなり、席を外しました。
「あかん・・・あかしまへんがな・・・。まだ、しっかりしてな、あかんのに」
今まで抑えていた感情が雪崩を切って押し寄せてくるのを必死で収めようと、あさは大きく息をつきながら、みんなのいない中庭の前の廊下をうろうろと行ったり来たりしています。
でも、感情を抑えることができません。
「何見ても・・・だんな様とのこと、思い出してしまいますのや・・・。もう・・・うち、どないしたら・・・」
あさは大きく息をつきます。でも、押し寄せる想いを抑えられません。
「あかん・・・寂しい・・・寂しおます・・・」
ついに、顔を両手で覆って泣き出すあさ。
そこに一滴の雨が落ちてきました。
はっとして天を仰ぐあさ。
するとお天気雨が降り出しました。
新次郎が嬉しいときに降る雨。幸せなときに降る優しい雨・・・。
新次郎の雨が、あさを包み込むように降り注いできます。
「忘れんといてなぁ。いつも、そばにいてるさかい」
雨はそう、言っているようでした。
あさは、両手を広げ、新次郎の雨を受け止めるように言います。
「・・・びっくりぽんや」
もう涙が止まらないあさを、雨は優しく包み込みました・・・。
まとめ
この放送を見終わった後にオープニングを見返すと、今までそう感じなかったところで涙が出てきます。
「ときには雨も降って、涙もあふれるけど」のところで、画面の色が消え白黒になり、雨が降ってきてから、ふわっと明るく色づく画面が、まるで新次郎さんがあさを包み込むようで、すごく切ないのです。
新次郎さんの死亡フラグが出てから、ずっと追ってきましたが、ついに新次郎さんは帰らぬ人となりました。
あさの喪失感を包み込もうとする、新次郎さんの優しい雨に涙した今日でした。
明日は『あさが来た』最終回。最期まで見届けましょう。
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